「こんぶは洗うものではない」という、言い伝えがあります。
ダシをとるときも、昆布を洗わないことが肝心です。
洗ってしまうと昆布のうま味が水に出てしまいます。
表面の白粉(マンニット)は、昆布のうま味の主要な部分ですので、
酢水に浸した布巾を絞り、表面をさっと拭き取るだけで十分です。
ちなみにダシをとるときのお水は冷水をご使用いただいた方が美味しいダシが出来ます。
今日からは冷水に昆布を入れて鍋に火をつけて、今までとひと味違うダシでお料理してみてください。
料亭の味を我が家に。
神社など神様への奉納品として太古の昔より使用されていた昆布は縁起の良い食材として現在も使われています。
「よろこぶ」や「よろこんぶ」とゴロ合わせで結婚式やおめでたい席に昆布を贈り物やお料理を提供する習慣も現在にも引き継がれています。
昆布は「養老昆布」と書いて「よろこぶ」と読みます。不老長寿とお祝いの縁起物として広く用いられてきました。古くは昆布を「広布(ヒロメ)」と呼んでおり、音読にしてコンブという。ヒロメとコンブで「喜びを広める」というゴロ合わせもあります。
また昆布は北国の蝦夷地(北海道)に多く産出するので夷子布(エビスメ)とも言われていたことから、七福神の恵比寿にかけて、福が授かる縁起の良い食べ物として使用されていました。
ダシを取った後の昆布は、どのように処理されていますか?捨ててしまうなんてもったいないと思われた方もいられると思います。沸騰してダシを取り出した昆布をそのまま食べている方は上手に昆布を活用されている方です!
そのまま食べるのも良い方法ではございますが、包丁で細切りにして酢醤油漬けにして時短・簡単レシピをひと品作ることもできます。
また、佃煮や細かく刻んで自家製こんぶふりかけを作ってみてはいかがでしょうか!
昔の人は、ダシをとった後の昆布を再度乾燥させて保存させていたと聞いています。現在では、冷蔵庫があるのでダシで使用した昆布をラップで包みある程度の量がたまるまで保管するのも一つの方法かもしれません。ひとつ気を付けていただきたいのは、ダシをとった昆布は、ダシとり以外の料理でのご利用をお願いします!
昆布は、真昆布、羅臼昆布、利尻昆布、日高昆布やがごめ昆布といろいろな種類や等級があり、お客様も昆布選びには何を使えばよいのかと迷われることがあると思います。
当店で販売する昆布は、原料目利きで仕入れたものを販売し、たくさんのお客様にご満足していただくことのできる昆布をご提供できるよう努めています。
昆布の古くは「広布(ひろめ)」、「夷布(えびすめ)」と称され平安時代には朝廷に献上され宮中行事の供え物として使われています。
仏教文化との結びつきは強く、精進料理にも使われていました。鎌倉時代以降、仏教が庶民に浸透するにつれて昆布の需要は高まり、北海道と本州の間で昆布の交易が盛んになりました。
鎌倉時代から江戸初期にかけて、日本海を通る船によって福井県の小浜や敦賀に陸揚げするルートが開かれ、京都へ運ばれました。
さらに昆布を運んだ船は、下関、瀬戸内海を経由して天下の台所といわれた大阪に運ばれ、時代が進むにつれ江戸へも大阪経由で運ばれました。